八百万の神大図鑑

月夜見尊ツキヨミノミコト

【分かりやすく動画で解説】

 

【闇に光を届ける神】

ツキヨミは、アマテラスの弟であり、スサノオの弟でもある。
イザナミがイザナミに追われ、黄泉の国から逃げ帰ってきた後、イザナキの左目から産まれた神様がツクヨミである。
イザナキが産んだ最も尊い神として、彼らを「三貴子」と呼ぶのである。
アマテラスは太陽の神。スサノオは嵐の神。
そしてツクヨミは月の神と呼ばれている。アマテラスやスサノオの話はよく出てくるが、ツクヨミはなにもしない。
支配の領域は、天界に限定されず広い範囲に及ぶのであるという。また、大陸に派遣され大陸の神様になったという説もある。
いずれにしても、月の神様である。
また、ツクヨミ(月読)という「月を読む」意の名前から、暦とのゆかりも深いのである。
暦は月が満ち欠けする月齢と連動しておりとされ満月から次第に月が欠けていき、満月になるまでの時間の流れを基準とする。
神社で一日と十五日に参拝するのは、この月の満ち欠けに関係していたのである。
一か月のうち、十五日を境に振り出しに戻り「気」で高まることから、一日に祓い、そして十五日にまた祓う。これが寺社参拝時期の所以である。
アマテラスが「陰」ならば、ツキヨミは「陽」。
夜の闇に光を届け、海の航海をこそっと見守り、さりげなく人々を導くありがたい存在である。
決して主役ではないが、なくてはなれない存在である。
人にも様々なお役割がある。表舞台を立つ人、実行する人、補助する人など。
一見、言葉で発する者だけが人の目を引くが、それは、誰かがその言葉を差し控えたからこそ、言葉を発する者の存在が際立つのである。
「成るように成る」という言葉がある。
とやかく物申したり、あれこれ心配しなくとも、必然が成り行きのままで良いように出来ている。この世は「成る」で出来ているのだ。
しかし、どうしても事が成らない時に「する」な人が出てくるのである。
人はそれを「英雄」と呼ぶ。私たちは「する」ことに目を向けがちだが、日常における多くの場合は「成る」ことによって支えられているのである。
特別な能力がある人はその能力を活かして様々な困難を切り拓いていくのである。
その一方で、足元が見えにくくなってしまう。その見えない足元の細かな部分を、他の誰かが支えているのである。
ツキヨミは影を照らす神様ではないだろうか。
私たちの周りにも、陰で支えてくれている人がいるのである。
そこに眼を向けて評価できる人にこそ、徳は備われるのである。あなたの影を照らしてくれている人も、きっといるはずだ。

【和魂】支援『陰の働きが周りを導きます』

あなたの陰の働きによって、下の者が引き立ち、安心して行動することが出来ます。
また、陰の存在として努める事で周りの支えとなり、より大きな成果へと導きます。
無理して表現しなくても大丈夫です。陰の努力が評価される時です。もっとそのまま進んでください。

【荒魂】癒しの時『自然と繋がりましょう』

隊長を崩しやすい時です。無理は禁物です。
評価を気にする余りに無理してしまっていませんか?
誰かの目を気にしていると、心奪われ、自信を無くしがちです。
無理して存在をアピールすると空回りしやすいものです。
そんな時は、海や山に行き、気を整え、自分のリズムを取り戻しましょう。

【神格】

海の神、天空の神、月の神、農耕神、占いの神、海の神、漁業の神

【御利益】

安産、必勝祈願、学門、海上安全、農業、五穀豊穣、諸願成就

【別称】

月夜見命(つきよみのみこと)、月読神、月弓尊(つきゆみのみこと)

【系譜】

イザナキとイザナミの子

【祀られている神社】

・出羽三山・月山神社(秋田県東田川郡立川町月山)
・海月山両所宮(山形市宮町)
・賀蘇山神社(栃木県都賀郡栗野町)
・伊勢皇太神宮内・月読荒魂社・月読宮(三重県志摩市)
・松尾大社の摂社・月黄泉神社(京都市西京区室山添町)
・西寒打神社(大分県寒田)など