八百万の神大図鑑

天鈿女命アメノウズメノミコト

【分かりやすく動画で解説】

 

【神事芸能の神楽の祖神】

アメノウズメといえば、胸を出し、下半身をさらけ出し、神々を笑わせるお調子者というイメージだろう。
有名な話が「天岩戸」である。
アマテラスは、弟スサノオの横暴を必死に庇い続けるが、とうとう庇いきれなくなってしまう。
そのあまりの傍若無人な行動にショックを受け、天岩戸に隠れたアマテラス。
太陽の神であるアマテラスが天岩戸に隠れたことで、高天原(天界)は闇に包まれ、いろんな災いが起こった。これに困った八百万の神は、会議を開く。
その時に、知恵を司るタカミムスビの子オモイカネの発案で、アマテラスが隠れる岩戸の前で、様々な儀式を行った。
何か楽しいことをしてアマテラスの興味を引くのが良いだろうということで、アメノウズメが胸をさらけ出し踊り出す。
それを見た神様たちは大笑い。そんな外の様子が気になるアマテラス。
アメノウズメが「貴女様より尊い神が現れたので、みなで喜んでいるのです」と叫んだ。
すると、アマテラスは「それは本当か?」と岩の隙間から顔を覗かせる。
そこにさっと鏡を差し出し、アマテラスの姿を映す。
アマテラスは、本当によく似た神様だと思い、もう少しよく見ようと岩の隙間をさらに開けた。
その瞬間、力持ちの神様タヂカラオが、手を掴み、アマテラスを岩戸の外に引き出し、そこに縄を張った。
これが神社で見られる「注連縄(しめなわ)」である。
そして、アマテラスを映した鏡は三種の神器の一つ「八咫鏡(やたのかがみ)」である。
また、アメノウズメは、ニニギと共に天孫降臨する五柱(五人の神様)の一人でもある。
その降臨の道中で道に迷っていた時に、高天原から中津国までを照らす神様が現れた。
アマテラスから「あなたは気後れしないから、あなたが彼の名前を聞きなさい」と言われ、名前を聞いたその神が、サルタヒコである。
アメノウズメは、そのサルタヒコの妻となり「猿女君」と呼ばれるようになった。
伊勢の猿田彦神社の境内に、猿田彦神社の本殿と向かい合うように佐瑠女(さるめ)神社が建っており、アメノウズメはそこで芸能の神として信仰されている。
今でも多くの芸能人が舞台祈願などに訪れるそうである。

【和魂】芸能的才能『才能を活かす時』

あなたの芸が周りを盛り立てます。
音楽や絵画、踊りや習い事など、あなたの才能が開花する時です。
物怖じすることなく、あなたの得意なことを周りにアピールして下さい。
恥じらいを捨て、時には馬鹿になりましょう。
自分を思いっきり表現する事で、潤滑に物事が進みます。

【荒魂】落ち着いて『客観視してください』

行動が目立ちすぎています。無理して、大袈裟に表現していませんか?
周りとの調和を考え、自分を客観的に見る事で、あなたらしく居られます。
自分の能力はひけらかすものではなく、周りを活かすために使う時です。
そうする事でより信頼を得る事が出来るでしょう。

【神格】

芸能の神、俳優の神、舞楽の神

【御利益】

芸能上達、武芸全般の守護

【別称】

天宇受賣、宮比神(ミヤビノカミ)、大宮能売命(オホミヤノメノミコト)、おたふく、おかめ

【系譜】

不明

【祀られている神社】

・鈿女神社(長野県北安曇郡松川村大仙寺)
・戸隠神社(長野県長野市)
・小古曽神社(三重県四日市市小古曽町)
・荒立神社(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
・芸能神社(京都府京都市右京区嵯峨朝日町23)
・車折神社(京都市右京区嵯峨)の境内社
・宮比神社(東京都新宿区筑土八幡町2−21)
・筑土八幡神社瓢箪山稲荷神社等の境内社
・伊勢神宮内宮等各地神社に「宮比神」