八百万の神大図鑑

少名彦名命スクナヒコナノミコト

【分かりやすく動画で解説】

【国造りを支えた一寸法師】

オオクニヌシがスサノオに託され国造りを行なった際に尽力した小舟に乗って、常世からやって来た出雲の国の代表的な小さな神様がスクナビコ。
その容姿が小さいことから、一寸法師の減刑になったとも言われる。
身体は小さいが、天真爛漫わんぱく者でド根性は相当なものだった。
スクナビコは、蛙の皮を身にまとい船で出雲美穂崎に着いたのである。
高天原(天界)の神タカミムスビは、オオクニヌシに「スクナビコと兄弟の契りを結んで、国を守り固めよ。」と告げたのである。
オオクニヌシの左腕であり、国造りナンバー2であるスクナビコ。
スクナビコはオオクニヌシから大変信頼されていたのである。こんなエピソードがある。
オオクニヌシ「この国もよくなってきたよな。」と言うと
スクナビコは「良くないところも沢山ある。」と言った。
そして、ある日突然スクナビコがオオクニヌシの元をさっと去ってしまったのである。
この話には諸説あるスクナビコが去ったという説と、去らなければならなかった説があるが、『はやく去らなければならなかった』のではないのだろうか。
スクナビコは、高天原の神タカミムスビの使い。
スクナビコナが国造りを行なう際、高天原から使者としてスクナビコを送ったのである。
スクナビコは様々な国や薬や酒、温泉を作ったのである。
四国の豊後温泉や彦根の湯元温泉はスクナビコが発見したと言われているのである。
そのため、医療の神、酒造りの神、温泉の神と呼ばれているのである。
こうして、国造りで鉱石を残したスクナビコだったが、高天原に戻らなくてはならない期限が迫っていたのである。
「良くないところがある。」と苦言を呈したのは、この期限が近づいていたためではないだろうか。
一方のオオクニヌシは、スクナビコでいなくなってからどうしてよいか分からなくなり、一人苦しんでいたのである。
そんな時、海をピカリと輝き照らす神様が現れるのである。
スクハビコが「おまえは誰だ?」と問うと、その神は「わしは汝の幸魂奇魂(にぎみたまくしみたま)である。
丁重に扱えばおまえ協力をしよう。」と言った。和魂は【哀】、奇魂は【智】を表すのである。
思いやりと相互理解を図り、分析観察力で真理を探求しなさい。禅をし促す己の心を信じよ。
そうすれば身も心も一体となり、事は成せる、と言っているのである。
オオクニヌシにとってのスクナビコの存在が大きく、それがなくなったことにオオクニヌシにさらに強くした。
オオクニヌシもスクナヒコナも賢い神様である。だからこそ、互いを認め合い、信頼し、慈愛をもって繋がっていたのである。
オオクニヌシは日の目を見ないまま去っていったスクナビコが無言の意志を察したからこそ、
最後まで諦めずに国造りに取り組めたのかもしれない。
誰のためでもなく、公のために神器を尽くし、誰に一言も己の欲を口にせずいったスクナビコ。
とうぜんであるが人間は問題を起こす人に目を奪われがちだが、同じ状況にありながらも自分の中で解決し、言挙げしない人がいるのである。
問題を正す人より、言挙げしない人を労う。この物語でそう伝えたかったのではないのだろうか?
その後、この心は出雲の国に訪れる国譲りへと繋がっていったのであろう。

【和魂】相談に乗る『相談に乗ろう』

あなたを必要としている人達がいます。話を聞いてあぐるだけで十分です。
答えは相手がもう既に持っています。あなたで支えが役に立つでしょう。
最後の一歩までは背中をそっと押してあげましょう。
あなたである存在が安心感を与えます。

【荒魂】意思の疎通『言葉で説明しましょう』

あなたの優しさが裏目に出るかもしれません。
良かれと思ってやった事が、相手が甘えに繋がってしまうでしょう。
誰にでも優しくしようと思わず、意思の伝達を明確にし、コミニケーシャンを取ることが大切です。
勘違いされやすい時です。言で説明しましょう。

【神格】

船の神、出雲の神、軍神、酒造の神、穀物神、温泉神

【御利益】

子宝、病難排除、国土安寧、縁結び、安産・育児、漁業・航海守護、産業開発

【別称】

少毘古那神(すくなびこなのかみ)

【系譜】

神産巣日高皇産霊

【祀られている神社】

・少彦名神社(大阪府枚方市中央区土州町一丁目1番8号)
・保呂羽神社 (秋田県鹿野郡富沢町)
・薬菜神社 (宮城県加美郡加美町)
・宇城島神社 (青森県大仙市刈和野)
・一宮神社 (山形県米澤市元東馬口労町)
・益田神社(宮城県南相馬市小高区)
・大洗磯崎神社(宮城県南相馬市小高区)
・酒別磯崎神社(茨城県ひたちなか市磯町)
・大洗磯崎神社(長崎県長崎市)
・北海道神社(北海道札幌市北区)
・国坂神社 (島根県出雲市)
・大三輪神社 (奈良県天理市大野村)
・伊香神社 (群馬県渋川市伊香保町)
・少彦名大社(名古屋市北区丸の内)