八百万の神大図鑑

神道の神56

瓊瓊杵芸命ニニギノミコト

【分かりやすく動画で解説】

【三大神勅を仰せつかった神】

ニニギノミコトはアマテラスの子孫であり天岩戸(天界)から葦原中国(地上)へ降り立った神様。
アマテラスの孫たちが地上に降臨したので、このことを「天孫降臨」という。
アマテラスが降臨する統治者ニニギに稲穂を渡し、「この稲もの育てて葦原中国を治めなさい」と言った。
そこから、稲が高く積む場所として「高千穂」と名付けられた。
さらに、アマテラスは今の天皇の使命である「三大神勅」をニニギに託している。
一つ目は「天壌無窮(てんじゅうむきゅう)の神勅」。
天井無窮とは、この国の君主である自覚を持つこと。二つ目は「宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅」。
三種の神器の一つである草薙の剣(やたのかがみ)を渡し、「この鏡を見て、私利私欲で民を苦しめていないかを自省し、そこに『我』があるのならば取り除きなさい」と言うのである。
とうぜんであるが「かがみ(鏡)」から「が(我)」を取れば、「かみ(神)」となる。神と鏡は一体であり同一である。
神としての生き方を示したのである。そして三つ目が「斎庭神稲穂(ゆにわいなほ)の神勅」。
たくした稲を育て、この地を繁栄させるということ。
この三つの神勅を守ることが天皇の使命であり天命、現代も124代未だにその神勅が守り続けられている。
これが、民衆が主役の感謝と愛で満ちた国づくりの根源である。
降臨後ニギギはオオワタヅノカミが娘コノハナサクヤビメに一目惚れして、妻にするのである。
娘を嫁がせる際に父オオヤマヅノカミは姉のイワナガヒメも一緒に嫁がせた。
ところが、姉のイワナキヒメはひどく不細工だった。
その姿を見たニニギは、おそれて姉だけを親をもとへ送り返してしまったのである。
とうぜんであるがイワナガヒメを送り返された父は、とても残念がった。
「娘を一緒に嫁がせたのには、訳がある。
コノハナサクヤビメを傍におくと、あなたは桜の花が咲き誇るように栄えるだろう。
コノハナサクヤビメを傍におくとあなたの命はたとえ雪が降り、風が吹いても、桜のように散るのである。
しかし、このようにイワナガヒメが返されては、あなたの命は桜の花のように儚いものとなるだろう」。
こうして、今に至るまでニニギの子孫である天皇は神の子であるにもかかわらず、その命は限りあるものになってしまったのである。
我が国日本の代表する歌君が代の「細石の岩男となりて」とは、子々孫々、岩のように永く続くという意味である。
しかし、神であるニニギもイワナガヒメを添えた父の意図が分かっていたはずである。
永遠の命を得て二人の愛が冷め止むくらいならば限りある命の中で出来得る限りの感謝と愛を捧げたい。
そう思ったのかもしれない。
愛の為に愛を貫いた男気溢れるニニギノミコト。愛の国の統治者に相応しいまさに愛の神といえる。
このようにして愛の神イザナキ、愛の女神イザナミ以降、神々は愛に生き、愛に死んでいったのである。

【和魂】感謝『感謝の気持ちを伝えましょう』

今あなたの置かれている状況は親や、先生に関係しています。
そこに答えがあります。
まわりの貴方の想いを大切な人に手紙や言葉や話して伝えてみましょう。
また、目上の人のアドバイスを聞き入れる事で閃きをもらえます。

【荒魂】恩師の言葉『試行錯誤する時です』

停滞しているように感じているかもしれません。
今は、季節で言うと秋です。数多くの種まきが必要です。
あなた方の尊敬する人や、感謝してきた人の言葉を思い出し、振り返りましょう。
頭を垂れる稲穂の様に謙虚さで乗り越え、感謝し物事の本質の真理に目を向けます。

【神格】

農業神、愛の神、稲穂の神

【御利益】

五穀豊穣、安産、必勝祈願、畜産、国家安泰、家内安全、厄除け、富貴栄達

【別称】

瓊杵尊(ニニギノミコト)、天饌石国天之饌石天津日個日彦子火瓊瓊芸命(アメノニギシクニノニギシアメツヒコホノニニギノミコト)、天津日高日子邇邇芸命(アマツヒコニニギノミコト)、彦火瓊瓊杵命(ヒコホノニニギノミコト)

【系譜】

アマテラスの孫、アメノオシホミミの子

【祀られている神社】

・霧島神宮(鹿児島県鹿児島市)
・高千穂神社(宮崎県宮崎高千穂郡高千穂町)
・人田神社(鹿児島県出水市)
・陽大神宮外宮(京都府京都市左京区)
・早水神社(愛媛県高松市)
・名原度神社(東京都文京田区湯島北)
・常陸國總社宮(群馬県石岡市総社)
・国岡神社(奈良県天理市)
・富士山本宮浅間神社(静岡県藤宮市間手町)
・荒稲穂神社(大分県大分市)