八百万の神大図鑑

猿田彦之命サルタヒコノカミ

【分かりやすい動画で解説】

【神出鬼没の天狗と呼ばれた神】

アマテラスに遣わされたサルタヒコが、高天原(天界)から葦原中国(地上)へ降り立つ時、いくつにも分かれている道を目の前に立ち往生していた。
ニニギたちが立ち往生した道を「天の八衢(てんのはちまた)」と呼ぶ。
この「八」という数字は、『古事記』によく登場する。
「八百万(やおろず)」、「八岐大蛇(ヤタマノオロチ)」、三種の神器である「八咫鏡(やたかがみ)」と「八坂瓊魔賀玉(やさかにのまがたま)」。
他にも、出雲をその昔は「八雲」と表記し、国家君が代にも「八千代」が出てくるのである。
この「八」という数字は、大きさや偉大さ、程度、偉大といった意味がある。
「八」という数字は、日本人にとって最も縁起の良い数字なのである。
話を戻すがアマテラスを立ち往生していると高天原から葦原中国までの道を照らす国津神(地上の神様)が現れた。
それが、このサルタヒコである。
アマテラスは、「優しい女だが、顔を合わせても気後れしないから、あなたが問いなさい」と、ニニギに仕えていたアメノウズメに、彼の名を問わせることになった。
サルタヒコノミコトと名乗った彼はニニキたちの道案内をするために現れたのだ。
名前を欠かしたこのことがきっかけで、アメノウズメはサルタヒコを妻とし、「猿女君」と呼ばれるようになる。
このサルタヒコの姿形は「鼻之長九咫、背丈六尺」という記述から天狗の減刑ともいわれている。サルタヒコは彼らを無事送り届けると、古里である伊勢の地へ帰って行った。
そして、さっそく伊勢に戻り開拓に取り掛かるのである。
のちに、クシナダヒメがアマテラスを祀る地として探していた際、献上したのが現在の伊勢神宮である。
サルタヒコは伊勢の大神だった。
しかし、あっさりとふるさとを献上したということは、アマテラスに負けたのか日本人らしさを感じる。
この精神が、30年に一度執り行われる式年遷宮へと引き継がれたのであろう。
英雄とは、戦いに勝利することで生まれるものである。
しかし、日本ではこのような徳の高い人のことを「英雄」と呼ぶことが多くあり、また、そう感じられる徳の高い人でありたいものである。
その後、三千年もの間、子孫が屋敷内で代々サルタヒコを祀っていたが、室町時代以降、公の神社として祀るようになったのである。
それが、現在の猿田彦神社である。
この敷地の中にサルタヒコの妻であるアメノウズメを祀る佐瑠女(さるめ)神社がある。

【和魂】未来の予測『あなたが人を導きます』

自らの起こした何気ない言動が、誰かの未来にヒントを与えるでしょう。
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人を導き、育てる事で、自分の宝となるでしょう。気負わず、いつも通り過ごしてください。良いタイミングで物事が動き出すでしょう。

【荒魂】自信過剰『謙虚さが成功の鍵です』

やる気を持つことがありますが、高慢、自慢、放漫はあなたの真実を曇らせます。
その行動を裏付ける実力をもつことを徹底することです。
今はまだその時では無いといえます。人知れず努力する事で実力がつきます。大胆さと謙虚さのかけあわせが大事です。

【神格】

猿の神、太陽の神、導きの神、交通の神、伊勢の地主神

【御利益】

交通安全、必勝祈願、安産、子宝、縁結び、延命長寿、厄除け、商売繁盛、殖産興業

【別称】

猿田毘古神、猿田彦大神

【系譜】

太陽の神、国津神

【祀られている神社】

・椿木大神社(三重県伊勢市猿田彦)
・新羅鬚神社(滋賀県彦根市八坂町鴨川)
・猿野神社(滋賀県彦根市松本上町)
・牧堀神社(青森県岩手郡玉山村巻堀)
・高山猿田神社(宮城県西大井郡山田村)
・志和稲荷神社(岩手県紫波郡紫波町)
・椋神社(埼玉県さいたま市)
・都波木・奈加羅神社(三重県鈴鹿市一宮町)
・二見興玉神社(三重県伊勢市二見賀裏町)
・猿田毘古神社(三重県伊勢市宇治裏町)
・伏見稲荷神社(京都市左京区深草藪之内町)
・大朝比古神社(徳島県鳴門市大麻町)
・裕得稲荷神社(佐賀県佐賀市猿田彦)など