八百万の神大図鑑

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメ

【分かりやすい動画で解説】

【桜のように咲き桜のように散る美人薄命】

コノハナサクヤヒメを祭神として祀る富士山本宮大浅間神社には竹取物語伝説とよく似た縁起の話が伝わる。
コノハナサクヤヒメはニニギノミコトが天孫降臨し一目惚れした美しい神様。
桜の語源はコノハナサクヤヒメから来たと言われ、その名のごとく美しく咲き、散って行く、幸短い短命の神様。
コノハナサクヤヒメは山の神様、オオヤマヅミの娘。 ニニギノミコトがコノハナサクヤヒメに一目惚れし、嫁にもらおうとオオヤマヅミに告げると大いに喜んだ。
喜んだオオヤマヅミは一緒に姉であるイワナガヒメを嫁がせるのである。
しかし、その容姿をみて大変醜かったためイワナガヒメは父の元へ返してしまう。
オオヤマヅミはイワナガヒメを返されたことで大いに恥じた。
そしてニニギに呪いを吐き掛ける。
オオヤマヅミはイワナガヒメを嫁がせたのは考えがあってのことだったのである。
コノハナサクヤヒメは容姿も美しくさく桜の如く栄えられるが、その命は短命ですぐに散って死んでしまう。
だから、岩のように永遠の命を持つコノハナサクヤヒメを一緒に授けたのだ。 それを知らないニニギはイワナガヒメを返してしまった。
そのことで永遠である寿命も限りあるものになってしまった。
その後、一夜にして2人は結ばれ身篭る。
しかし、ニニギは一夜にして身篭ったことをおかしく思い他の国津神の子ではないかと疑う。
激怒したコノハナサクヤヒメは産屋に入って自ら火を放つ。
『天津神のニニギの子ならば何があっても無事に産まれるはず』 その炎の中でホダリ、ホスセリ、ホオリの三柱の子を産んだ。
このホオリの子が初代神武天皇である。
この様に、美しさ故に疑われ美しさ故に散る。
人を惹きつける魅力は、嫉妬や疑念の対象にもなりうるのである。
また、引きつけた魅力に値する見返りを求められ、その見返りを与えなければ人は裏切られたと落胆するのである。
この様に、努力が美しさではなく生まれ持った美しさは様々な試練がのしかかる。
一見華やかな人生も、本人にしか知りえない苦労があるのである。
美人薄命とはこの様なことから言い伝えられたのかもしれない。

【和魂】美『開花の時です』

春を迎え桜が花開くときです。
だれしも人は美しいものには引き寄せられます。
内面だけではなく外見を磨くことであなたの魅力が増します。後回しにしていたことに挑戦してください。
心から心地の良い環境が整うでしょう。
今は美容関係と縁が深くなっています。あなたに相応しい相手を引き寄せるでしょう。

【荒魂】しなやかな強さ『柔軟な心を身に付ける時です』

あなたの意図が伝わりにくいかも知れません。愚痴や嫉妬や疑念を持たれ易くなっています。
自分の正しさ潔白を晴らしたくなるような事が起こるかもしれません。
自分の思うように、伝わらない事もあるでしょう。
また、対価を求められるかも知れません。時間か必要です。
今は感情を抑え柔軟な心を身につけ、時を待ちましょう。

【神格】

美の神、鼻の神、海の神、山の神、火の神、酒造の神

【御利益】

安産・子宝、火難消除、学門、鎮火、織物業の守護、農業、漁業・航海の守護

【別称】

木花開耶之姫、酒解子阪之神(さけとけのこのかみ)、木花之佐久夜毘売命(このはなさくやびめのみこと)、コノハナチルヒメ

【系譜】

オオヤマヅミの子

【祀られている神社】

・富士山本宮浅間神社(静岡県磐田市宮大市)
・浅間神社(奈良県東小平郡穂宮町)
・浅間神社(三嶋市手崎町)
・彦根神社(静岡県足柄下郡箱根町)
・當麻山口神社(奈良県北葛飾城郡當麻町)
・荒手神社(兵庫県多可郡加美町)
・梅宮大社(京都市右京区梅津フケノ川町)など