八百万の神大図鑑

倉稲宇魂命ウカノミタミマノミコト

【分かりやすい動画で解説】

【民の心を掴んだ御利益の神様】

ウカノミタタマノミコトは稲荷神社の祭神で、稲荷神とも呼ばれてる。
スサノオとオムオオヒメとの間に生まれた神様、またはイザナキとイザナキの間に生まれた神様と言われ、名前にある【ウカ】は穀物、食べ物を表すことから穀物の神様とされる。
いわゆる農耕神である。
ウカノミタマは稲荷神社の祭神として祀られているが、元々稲荷神社は百済からの渡来人、秦氏が信仰していた神社である。
秦氏は、農耕、土木、鉄鋼などに長けており、秦氏を重用した豪族は大いに発展した。
民も秦氏の教えのまま農耕に励み、五穀豊穣に恵まれた。
秦氏が祀っている神社があった。
そこに手を合わせれば何か御利益があるのではないかと、多くの民はこぞって参拝した。
つまり、元々稲荷神は日本の神様ではないのである。
その後、五国豊穣の神としてウカノミタマが祀られるようになる。
江戸時代の民の90%は農家だった。
その為、五国豊穣の神として、稲荷神社は全国に広がる。
さらに、時代が変化し農業から工業、商業と発展するに伴い、山に行けば五穀豊穣、海に行けば大漁の神、そして都市に行くと商売繁盛の神様として発展を遂げていく。
また、艶やかな赤い社の多くは、稲荷神である。
全国にある神社が約16万社。
その過半数は稲荷神社社である。
国の根幹は命の根幹の民の命である。
その命を支えていたのが多くの民であった。
その民に微かな希望として、御利益を与え祀られた稲荷神は大いに繁栄したのである。稲荷神の神社が神社の中でも元気が良いのは、伝統に縛られる事なく、繁栄させる為に新しいものにトライし、進化して来たからかもしれない。
また、タブーとされた御利益や御加護があるという考え方も稲荷神社が促進したと考えられる。
ある時は皮肉るものもいたかもしれない
しかし、この稲荷神社は一部の悪辣な宗教団体の様な個人の所有物になる事なく、神道の伝統に則り、しっかりと神社としての役割の枠の中で努力をして来た。
その稲荷神社の祭神であるウカノミタマは、独自派の神、繁栄の神、対応の神、柔軟性の神とも言える。
時として人は【伝統】【進化】で二分し対立するのである。
伝統はそこそこにみつつ、世の中の変化に対応し、親加し続ける者の事である。
ウカノミタマの史実はあるが、民の御魂が作り出しているのであれば、大いなる力によって、変化し進化し対応した柔軟な神だと言える。
人は一人では生きていけない。
農家もそうだからと言って人に頼ることもままならない。
そこで、神を感じることで、気持ちが楽になったり、神様が助けてくれると信じれば、気持ちが大きくなり、行動に移す事が出来る。
不幸にあった人が居ても見向きもせず道行く人が沢山いるのも事実である。
八百万の神はそれも良しとしたのではないのだろうか?
神道は【教】ではなく【行】である。
しかし、誰もがその深い境地に到達するのは難しいのである。
人にはそれぞれ成長の過程がある様に、ウカノミタマも同じ様に進化し成長して来た。

【和魂】御利益『欲しいものはなんですか?』

必要とするもの全て手に入る時です。また、ご利益は感謝がある者に訪れます。
あなたの欲しいものは何ですか?今すぐ口に出して明確にしてみましょう。それが言えたなら、思わぬ形で転がり込んでくるかもしれません。

【荒魂】変化『準備をしましょう』

用意は出来ていますか?変化しようとした時、妨げようとするものが現れるかもしれません。
正しい事よりも、礼を尽くし、信頼を勝ち取る事が大切です。
事を起こす前に、準備を丁寧にする事で上手くいきます。

【神格】

稲神、食神、五穀豊穣の神、諸産業繁盛の神、農耕神、穀霊神、商工業神

【御利益】

商売繁盛、安産、学問成就、産業興隆、芸能上達、家内安全、五穀豊穣

【別称】

お稲荷さん、宇賀御魂、倉稲魂、稲荷神、大物忌(おおものいみ)

【系譜】

スサノオの孫またはイザナキ、イザナミの孫

【祀られている神社】

・伏見稲荷神社(京都市伏見区深草藪之内町)
・豊川稲荷寺(愛知県豊川市豊川町)
・笠真稲荷神社(茨城県笠間市笠間)
・裕卓稲荷神社(佐賀県鹿島市)
・笠森稲荷(東京都大田区太田)