大國主大神オオクニヌシノオオカミ

【分かりやすく動画で解説】

【意志を貫き通した神】

オオクニヌシといえば、出雲大社の祭神。
心優しいと言われていたオオクニヌシ。
彼は優しいだけでなく、頭も良く、医術にも明るかった。
ただ、その優しさと優秀さ故に、兄たちの嫉妬を買う。
有名な話は「因幡の白兎」である。
兄たちと美しいヤマガミヒメという娘を見に行く道中、サメに嘘をついたために皮を剥ぎ取られて苦しんでいた一匹の兎と出会う。
兄たちは、塩水をかけ風に当たると治ると言い、さらに兎を苦しめた。
そこに遅れてきたオオクニヌシが通りかかり、苦しんでいる兎を介抱した。
その手当に使ったのが、彼が手にしている「がまの穂」である。
彼の介抱により兎は瞬く間に回復した。その兎は「あなたこそがヤマガミヒメと結ばれるでしょう」と告げた。
その予言通り、オオクニヌシはヤマガミヒメと結婚することになった。
それを知った兄たちは、オオクニヌシの命を奪おうと、真っ赤に焼けた大岩を山から転がし、オオクニヌシを殺してしまう。
乱暴者だった兄たちにとって、オオクニヌシは大人の顔色をうかがう優等生で、自分たちを蔑んでいるように感じていたのかもしれない。
自分の不徳が原因で好ましくない事態に陥ったことを「不徳の致すところ」と表現するが、彼の場合は「有徳の致すところ」といった感じだろう。
彼の死を見て悲しんだ母親が、天津神に頼み、生き返らせてもらう。
それでも兄たちは再びオオクニヌシを殺し、そのたびに母親が神様に頼み、蘇らせた。
母親が最後に頼ったのは、オオクニヌシから遡ること六代目の祖先スサノオである。
オオクニヌシは、スサノオを訪ねて出雲国まで赴く。
そして、出雲に着くと心奪われる一人の女性と出会った。
その女性こそ、スサノオの娘スセリビメである。
オオクニヌシは、スサノオに認められようと様々な試練を耐え忍ぶ。
その姿にスサノオは、オオクニヌシを婿として認め、スセリビメと一緒になることを許す。
さらに、葦原の中津国を治めるよう大業を任せた。
オオクニヌシはスクナビコ(小人神少彦、一寸法師のモデル)と共に、国づくりを行う。
国づくりは順調に進んでいくが、ある日突然スクナビコが「もう私は必要ないだろう」と、海の彼方に去って行った。
突然のことに困り果てたオオクニヌシ。
その時に海の向こうから光り輝く神様が現れ、「大和国の三輪山に自分を祀るように」という声が、どこからともなく聞こえてきた。
オオクニヌシは「そなたは誰ですか」と問うた。
その声は「我は汝の幸魂(さちみたま)奇魂(くしみたま)なり」と答えた。
そう。それは、オオクニヌシ自身の魂の声だったのである。
恐れや不安を抱いても疑うことなく、己が決めたことを貫きなさい。
それが、あなたの真の願い。
何を疑おうぞ。疑うことなかれ。
疑うのならば、己が決めた自分の意志が揺らぐことを疑うべし。
これは、道に迷ったときに誰もが抱くことであり、すべての人に通じるものである。
出雲大社の祝詞の最後に「奇魂(くしみたま)幸魂(さちみたま)守給(まもりたまえ)幸給(さきわへたまえ)」と唱える。
この国は、争うことによってつくられた国ではない。
女性を愛し、その愛を貫き、様々な試練に打ち勝ち、その想いが認められたことで国づくりが始まっている。
この国の国土を形作ったイザナキやイザナミも、そうである。
二人の愛によって国がつくられた。
私たちが住むこの日本は、争いごとではなく、愛によっていつの間にかつくられた「愛の国」なのである。

【和魂】好機到来『今までの苦労が報われます』

おめでとうございます。身も心も充実し、好機に恵まれるでしょう。
まさに実りの時です。目の前のチャンスを掴んでください。
数々の試練を乗り越え、勝利を目前にしています。
多くの人達があなたを支え、力を貸してくれるでしょう。

【荒魂】修行の時『試練があなたを強くします』

あなたは、特別なものを得ようとしています。
しかし、目標が高ければ高いほど、その障害も大きいものです。
その試練を乗り越え、最後まで努力を重ねてください。
今は根を張る時です。大きな木が倒れないのは、土の中で立派な根が張っているからです。
目に見えない準備期間があるのです。

【神格】

国造りの神、農業神、商業神、医療神、縁結びの神

【御利益】

縁結びの神、子授の神、夫婦和合、医薬、病気平癒、産業開発、交通・航海守護、商売繁盛、養蚕守護、五穀豊穣

【別称】

宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ)、大物主神(おおものぬしのかみ)、国作大己貴命(くにつくりおおなむちのみこと)、葦原色許男神(あしはらしこおのかみ)、大穴牟遅神(おおなむちのかみ)、八千矛神(やちほこのかみ)

【系譜】

スサノオの子または六世の孫、七世の孫

【祀られている神社】

・出雲大社(島根県出雲市大社町杵築東)
・大神神社(奈良県桜井市三輪)
・気多神社(石川県羽咋市)
・大和神社(奈良県天理市新泉)
・北海道神宮(札幌市中央区宮ヶ丘)
・大洗磯前神社(茨城県東茨城郡大洗町磯浜)
・酒列磯前神社(茨城県ひたちなか市磯崎町)
・氷川神社(埼玉県さいたま市大宮区高鼻町)
・日吉大社西本宮(滋賀県大津市)
・射楯兵主神社(兵庫県姫路市)
・金毘羅宮(香川県仲多度群琴平町)
・都農神社(宮崎県児湯郡都濃町川北)

図解で分かる古事記・目次