伊耶那美命イザナミノミコト

【分かりやすく動画で解説】

【愛ゆえの悲劇の女神】

イザナは「誘う(いざなう)」の語源であり、誘い合う男と女を意味する言葉が生まれた。
イザナミは愛に生きた女神である。
イザナミは、初めての契りの際、溢れる想いを止められず「何て良い男でしょう」と、女であるイザナミ自ら先に告げてしまう。
その結果、最初に産まれた子はヒルのような姿だったため、海に流した。
これは流産を意味するのかもしれない。
その後、男神であるイザナキから声をかけ、二人は深く愛し合い、多くの子を産む。
しかし、炎の神を産んだ時の火傷がもとで黄泉の国へ逝ってしまう。
神の世界は、「高天原(天界)」「葦原中国(地上)」「黄泉の国(死界)」の三界に分かれている。
イザナミは黄泉の国で、生の終わりを迎えようとしていた。
その時である。なんと、建物の前には妻を迎えに来た夫の姿があった。
イザナミを連れ戻しに来たのである。
しかし、彼女はすでにこちら側の食べ物を口にしていたので、戻りたくても戻ることはできなかった。
それでも夫は諦めない。
イザナミもできることなら今すぐにでも愛する夫に会いたかった。
しかし、すでに全身にウジが湧いており、会えるような姿ではなかった。
既に霊魂だけになろうとしていたのである。
それでも夫に会いたい一心で、「外に出てくるまでは、絶対に中を覗いてはいけない」と約束をして、こちら側の神様に願い出ることにした。
しかし、一向に戻る気配のないことにしびれを切らした夫が、会いたい想いを止められず、約束を破って中を覗いてしまった。
そこにはウジが湧いたイザナミの姿があった。
あまりの驚きに思わず音を立ててしまった夫に気づいたイザナミは、約束を破ったことに激怒する。
一番見られたくない人に、一番見られたくない姿を見られた屈辱。
愛するが故に許せなかった。怒り狂うイザナミに恐れをなした夫は、その場を逃げ去る。
イザナミは、悪魔を放ち追いかける。
黄泉の国の出口まで来た夫は、大きな石で出口を塞ぎ、イザナミに別れを告げる。
それを聞いたイザナミの怒りは頂点に達した。
「お前がそう言うならば、そちらの国の人間を1日1000人殺してやる」と言った。
夫は「それならば、1日1500人産む」と抵抗した。
ここから、人の「生」と「死」が生まれたという。
イザナミは夫を心から愛していた。愛していたからこそ、約束を守ってほしかった。醜い姿も見られたくなかった。
しかし、その気持ちを察することができなかった夫から、別れを告げられた。
その言葉を聞いて、イザナミの怒りと哀しみは頂点に達したのである。
これは、人間社会でもよくある話。
始めはボタンの掛け違いでも、悪いことだけに意識を奪われ、そのことしか見えないまま行動することで、次々に悪い事態を招いてしまう。
それも、繋がりが深ければ深いほど、その問題も深刻になる。
盲目の愛。
愛情と愛欲の違い。
感情による言葉なのか、愛情による言葉なのか、慎重に言葉を選び、今一度、自分の行動を見直してみるのも良いかもしれない。

【和魂】真実の愛『新しい命を授かります』

あなたに足りないものを補ってくれるものが現れるかもしれません。その中心に愛を置くことでバランスが整い、何もかも上手くいきます。
また、相手を尊重し一歩下がればさらに上手くいきます。
失敗しても修正することで問題はなくなります。

【荒魂】疑いは禁物『心を失っています』

こうでなければならないという拘りを人に向けず、あなたらしさを取り戻しましょう。
真実が見えなくなっています。一時的な感情で判断しないようにしましょう。
感情による言葉ではなく、愛による言葉を選んで伝えましょう。

【神格】

創造神、万物を生みだす女神、大地母神

【御利益】

出世開運、商売繁盛、家内安全、縁結び、夫婦円満、安産・子育て、無病息災・病気平癒、厄除け、延命長寿、豊作・大漁

【別称】

伊邪那美神、伊弉冉尊

【系譜】

高天原の神、神世七代の最後の神

【祀られている神社】

・花窟(はなのいわや)神社(三重県熊野市有馬町)
・波上宮(沖縄県那覇市若狭)
・伊弉諾神宮(兵庫県淡路市多賀)
・多賀大社(滋賀県犬上郡多賀町)
・江田神社(宮崎市阿波岐原町)
・筑波山神社(茨城県つくば市筑波)
・佐太神社(島根県松江市)
・三峰神社(埼玉県秩父市三峰)
・英彦山神宮(福岡県田川郡添田町英彦山)
・白山比め神社(石川県白山市三宮町)
・玉置神社(奈良県吉野郡十津川村)
* 丹生川上神社(中社)(奈良県吉野郡東吉野村)

図解で分かる古事記・目次