古事記オンライン講座

天岩屋戸あまのいわと高天ヶ原たかまがはらの神々

須佐之男命すさのおのみことの乱暴によって天照大御神あまてらすおおみかみ天岩戸あまのいわとに引き篭ると高天ケ原たかまがはらや地上は闇に包まれ様々な災いが起きた。
困り果てた神々は知恵の神思金神おもいかねのかみを中心として、天照大御神あまてらすおおみかみを表に出す計画を天安河原あまのやすかわらに集まって練ることにした。
そして、この様な計画を実行する。
まず天宇受売命あめのうずめのみことが胸も露に踊り出すと、神々が手拍子を打って「天照大御神あまてらすおおみかみによく似た神様が現れた‼︎」と歓声をあげた。
気になった天照大御神あまてらすおおみかみが少しだけ岩戸を開き外を覗くと、神々は「あなた様によく似た尊い神様が現れたので皆で喜んでいるのです」と言って、天照大御神あまてらすおおみかみの前に鏡を向けた。自分を映した鏡を見て「本当によく似た神様だ」とさらに岩戸を開け外を覗くと、そこに待ち構えていた天手力男命あまのたぢからおのみこと天照大御神あまてらすおおみかみの腕を掴んで表に引き出した。
そして天岩戸あまのいわとを二度と閉じられぬよう岩戸は天手力男命あまのたぢからおのみことによって下界に投げ飛ばされたという。
天照大御神あまてらすおおみかみが表に出ると高天ケ原たかまがはらに眩いばかりの明かりが差し込み、以前と同じように世界中に光が戻った。
この後、事件を起こした須佐之男命すさのおのみことは八百万の神々から、厳しい処分を受けて地上へ追放されたのである。

天安河原あまのやすかわらは現在の宮崎県高千穂町の岩戸川にある河原と言われ、天照大御神あまてらすおおみかみが自ら天岩屋戸あまのいわやとに引き篭った際に、神々が相談したという場所。河原には巨大な洞窟(奥行き25m、間口30m)があり、洞窟の一番奥には天安河原宮あまのやすかわらぐうが鎮座し、思金神おもいかねのかみが主祭神として祀られている。