古事記オンライン講座

伊耶那美命いざなみのみことの死と火之迦具土神ひのかぐつちのかみ

しかし、伊耶那美命いざなみのみことに悲劇が起こる。火の神の火之迦具土神ひのかぐつちのかみを出産した時に陰部に大火傷を負ってしまう。伊耶那美命いざなみのみことは火傷で苦しみながら嘔吐物や糞尿から、様々な神様を必死に生み出したのである。
しかしながら伊耶那美命いざなみのみことは力尽きてとうとう亡くなり、黄泉の国に旅立ってしまった。伊耶那岐命いざなきのみことは愛する妻を亡くした悲しみのあまりに泣き崩れ、その時に流した涙からは泣沢女神なきさわめのかみが生れ落ちた。
妻の亡骸を比婆山ひばやまに埋葬した伊耶那岐命いざなきのみことは怒りと悲しみに囚われ、火之迦具土神ひのかぐつちのかみ十拳剣とつかのけんで斬りつけてしまう。
その時に火之迦具土神ひのかぐつちのかみの体から出た血が、岩に付いたり、剣の束から滴り落ちたりする事で八柱の神が生まれてきた。更にその遺体からも八柱の神々が生まれてきて、合計16柱が誕生したのである。

伊都之尾羽張神いつのおはばりのかみ建御雷之男神たけみかづちのをのかみを産んだ剣の神様。十束(拳十個分)の長さの剣という意味で、当時の一般的な剣とも言われる。