21. 木花之佐久夜毘売このはなさくやひめ石長比売いわながぎめ

天瓊瓊杵命あめのににぎのみこと笠沙岬かささみさきに赴いた時に、絶世の美女である木花之佐久夜毘売このはなさくやひめに出会う。
天瓊瓊杵命あめのににぎのみことが「貴女は誰の娘であるか?」と尋ねると「大山津見神おおやまつみのかみの娘、神阿多都比売かむあたつひめまたの名を木花之佐久夜毘売このはなさくやひめと申します。」と答えた。
一目見て木花之佐久夜毘売このはなさくやひめに惚れてしまった天瓊瓊杵命あめのににぎのみことは妻にしたいと思い「私は貴女と結婚したいと思うが、いかがか?」と問うと木花之佐久夜毘売このはなさくやひめは「私はお答えできません。父がお答えします」と言った。天瓊瓊杵命あめのににぎのみことはすぐさま木花之佐久夜毘売このはなさくやひめの父である山の神の大山津見神おおやまつみのかみに結婚の申し出の使いを派遣した。
高天原たかまがはらの天孫である天瓊瓊杵命あめのににぎのみことの申し出に大山津見神おおやまつみのかみは大変喜び、姉の石長比売いわながひめも一緒に沢山のお祝い品を載せた台を持たせ嫁がせることにした。
しかし天瓊瓊杵命あめのににぎのみこと石長比売いわながひめがひどく醜かったので、恐れて送り返してしまった。
石長比売いわながひめを送り返した天瓊瓊杵命あめのににぎのみことは、美しい妹の木花之佐久夜毘売このはなさくやひめとだけ婚約の契りを交わすことにした。

大山津見神おおやまつみのかみ石長比売いわながひめを送り返されてしまったので、大いに恥じてしまう。そして天孫の宿命を悟り、次のように返事をした「私が天孫に娘を二人で嫁がせたのには訳がある。石長比売いわながひめめとれば、天の子の命は、雨雪が降り風が吹いても、動じない岩のように堅く永遠の命を授かったであろう。しかし妹の木花之佐久夜毘売このはなさくやひめだけめとれば、木花が咲くように栄えるが、その御子の命は花のように儚く短い寿命になるであろう。」
これにより永遠の命を棄ててしまった神の御子には限りある寿命が決まったという。

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