古事記オンライン講座

天地の始まりと神様の誕生

天と地の始まり。まだ、この世が混沌とし何もなかった頃、一柱の神様が現れる。それが天之御中主神あめのみなかぬしのかみ天之御中主神あめのみなかぬしのかみが中心に居て、そこから外へ向かう様に現れたのが高御産巣日神たかみむすびのかみ神産巣日神かみむすびのかみ。中心に引き寄せる力と外に反発する力のバランスが整った頃、二柱の宇摩志阿斯訶備比古遅神うましあしかびひこぢのかみ天之常立神あめのとこたちのかみが現れた。この五柱の神様を別天津神ことあまつかみと呼び肉体や性別を持たない霊体だけの存在だった。


その後、国之常立神くにのとこたちのかみ豊雲野神とよくもののかみの二柱の独神ひとりがみが現れたが、これらも現れては直ぐに姿を隠してしまう。神々は更になる進化を求めて、男女の性別を持つ五組、十柱の神を生んだ。この時生まれた二柱と五組の神々は神世七代と呼ばれ、その一番最後に生まれてきたのが男神である伊耶那岐命いざなきのみことと女神の伊耶那美命いざなみのみこと。この二神の伊耶那岐命いざなきのみこと伊耶那美命いざなみのみことは神々から特別な力を授かる。それは愛。高天ヶ原たかまがはらの神々はまだクラゲのようにプカプカと漂った不安定な地上世界をしっかり固めて安定させるよう伊耶那岐命いざなきのみこと伊耶那美命いざなみのみことに命じると、国土(島々)を創ることが出来る天沼矛あめのぬぼこを二神に授けた。


国生みを終えた伊耶那岐命いざなきのみこと伊耶那美命いざなみのみことだが、すぐさま多くの神々を生み成す。古事記では35柱の神と記載されているが、実際に二神の直接の御子神は17柱となっており最初に大事忍男神おおことおしおのかみという大事(国生み)を成し終えた事を意味する神を生み、その後生まれた6柱の神は家宅六神といわれる住居に関する神々。河口の神の速秋津日子神はやあきつひこのかみ速秋津比売神はやあきつひめのかみの二柱は泡、波、水面など水に関わる八柱の神を生み成し、山の神様の大山津見神おおやまつみのかみと野の女神の鹿屋野比売神かやのひめのかみの二柱は渓谷、土、霧など山に関する八柱の神々を生み成した。