【古事記シリーズ第4話】
(第四話 天孫降臨)
いよいよ、高天原の神が地上へ降り、統治する時がやってきた。
アマテラスとニニギノミコトは様々な神様を連れ、地上へ向かう。
しかし、八つに別れる道が出て来て立ち往生する。
そこに地上を照らす神様が現れた。
一緒に連なっていたアメノウズメが名前を尋ねると私は地上の神でサルタヒコだと答えた。
サルタヒコは道を照らし道先案内をしてくれる。
アマテラスはニニギノミコトに三種の神器と稲穂を渡し、地上を統治するよう告げた。
この時、三大神勅を仰せになった。
【その一、天壌無窮の神勅】
あなたはこの国の君主話である自覚を持ちなさい。
【その二、宝鏡奉斎の神勅】
三種の神器である八咫鏡を渡され、これに自分の姿を写しなさい。そして自分の我欲によって溜めを苦しめてないか、もしそこに【我】があったならば、その我を取り除きなさい。
【かがみ】から【が】を取れば【かみ】となる。
【その三、斎庭稲穂の神勅】
稲穂を渡し、野の稲穂を育てることで地上を統治しなさい。民を植えさせるようなことはしてはいけない。
この三つがこの国の中心に未だに息づいている。
こうして、ニニギノミコトとお供する神々は高天原を後にした。
ある時、ニニギは美しい娘に出会う。
オオヤマヅミの娘、コノハナサクヤヒメである。
2人は引き合い結婚することになった。
父であるオオヤマヅミは姉であるイワナガヒメを一緒にどうかと差し出した。
しかし、イワナガヒメはあまりにも醜かった。
ニニギはコノハナサクヤヒメとだけ結婚し、イワナガヒメを送り返した。
実はオオヤマヅミには考えがあった。
イワナガヒメは岩のように醜いが岩のように永遠の命をもたらす。
コノハナサクヤヒメは花や葉が散るように、その命は儚い。
このことで天と繋がる天皇、そして我々に寿命が出来た。
ニニギから6代目の孫、カムヤマトイワレヒコノミコト。
この神様こそ、初代神武天皇である。
そして、神武天皇はこの様な言葉を残した。
『自分が正しいことを行って、その心を広めてこの国を守りたい』
人に正しいことを押し付けるのではなく、正しいと思うことは人それぞれ、その正しいと思うことをやりなさい。
その心を広めたいと仰せになったのである。
さあ、ここまでが古事記上巻である。
時712年、およそ1,300年前
なぜ、この様な神話が描かれたのか?
この物語を通して何を伝えたかったのか?
我が国の理想の姿を後世に伝えたかったその訳は?
この物語を紐解くと、中心に見えてきたのが【三大神勅】と言う掟だった。
この掟はそこから始まる我が国日本の礎となり、中庸の精神へと導いた。
ニニギはこの言葉をどの様に受け止め、どの様に継承していったのか?
八百万の神々を通して、紐解いていきます。