【古事記紙芝居 第3話】国つくりと国ゆずり
【古事記シリーズ第3話】
(第三話 国作りと国譲り)
この青年はスサノオより6代目の孫であるオオクニヌシ。
八十神の兄を持つオオクニヌシ。
荒々しい兄達と違い、心優しく、頭も良かったオオクニヌシは兄たちにとって勘に触る目障りな存在だった。
そんな兄たちは、事あるごとにオオクニヌシをいじめていた。
ある日、兄達はヤマガミヒメと言う美しい女性がいると聞きつけ、その女性に会いに行く。
この日もオオクニヌシは兄たちの荷物を持たされ、こき使われていた。
すると兄たちが通りかかったところにワニに皮を剥ぎ取られたウサギがいた。
このウサギは因幡の素兎である。
兄神達は塩を塗って風に吹かれて高い山の上で寝てるといいと教える。
白兎は兄達の言う通りにやる。
すると肌が乾くたびに針で刺す様な激痛が走り、たまらず泣いていた。
そこに、荷物を背負って遅れて通りかかったのがオオクニヌシ。
オオクニヌシは事情を聞くと、蒲の穂の花で治療するとたちまち傷は癒えた。
白兎は心優しいオオクニヌシに言った。
『意地の悪い兄達は間違いなくヤマガミヒメと結婚できない。 あなたは家来の様に袋を背負っているが、心優しいあなたこそヤマガミヒメと結婚出来る方だ』と予言した。
兄達がヤマガミヒメに会うと『私は、あなた達の言うことは聞きません。私はオオクニ様と結婚しようと思っています。』
それを聞いた兄達の怒りは爆発し、オオクニヌシを殺そうと相談する。
そして、この山に赤いイノシシがいる。
このイノシシを捕まえて来いと
そして、イノシシによく似た石を火で真っ赤に焼いて転がした。
その石を掴もうとしたオオクニヌシは無残にも熱で焼かれて死んでしまった。
そのことを知った母は嘆き悲しみ高天原の神様に頼み込み、復活させた。
このことを見ていた兄神達は忠誠心の厚いオオクニヌシを騙し、何度も命を奪った。
その度、母が高天原の神様に頼み蘇らせた。
見るに見かねた母は、オオクニヌシの先祖であるスサノオの元へ身を寄せるよう進める。
オオクニヌシはスサノオが住む出雲へ差し掛かった頃、スサノオの娘スセリビメと出会い心奪われる。
それを知ったスサノオは、オオクニヌシへ数々の試練を与える。
その度、オオクニヌシとスセリビメは力を合わせてその試練を乗り越えた。
その姿を見たスサノオは2人の愛を認め、オオクニヌシへ出雲の国を築き治めるよう告げ、去ってしまう。
オオクニヌシが国づくりに励んでいると小さな神様が現れた。
名前を尋ねると答えようとしない。
困ったオオクニヌシは高天原の神様に尋ねる。
するとこの神様はスクナビコナと言いとても賢い神様だ。2人は兄弟となって力を合わせてこの国を作るよう告げられる。
国づくりは順調に進んでいたが、頼りにしていたスクナビコナが突然常世国へ去っていった。
まだ、国づくりは終わっていないのに一番頼りにしていたスクナビコナが去ってしまった。
途方にくれたオオクニヌシ。
その時、海の彼方から光で照らしやってる神様がいた。
その神様はこう言った。
『私を三輪山に祭りなさい。そうすれば立派な国を作ることが出来る』
オオクニヌシは『あなたは誰ですか?』と尋ねると、『さきみたま。くしみたま』
お前の魂だと…
そうやってその御霊を三輪山に祀ると、兄達の抵抗を押しのけ、国造りは成功した。
その姿を見ていた高天原のアマテラスは『あの血で染まった国は我々が治めるべきだ』と、使者を送る。
様々な使者を送り、最後に送られたのはタケミカヅチ。
タケミカヅチは高天原で1番の武神。
しかし、タケミカヅチは武力を使わなかった。
そして、アマテラスが仰せになったある言葉を伝える。
それは『何時ウシハクこの国はシラス国だとアマテラスが仰せである』
それを聞くとあっさり『それならば息子達に聞いてくれ』と言った。
長男であるコトシロヌシに話をすると『お父様、この国はアマテラスにお譲りになりましょう』と…
それを聞いていたもう1人の息子、タケミナカタは『何を勝手なことを言っている』
『ならば力比べをやってから物を言え』と力自慢のタケミナカタは抵抗した。
2人は力比べを始める。
2人は組み合うが、高天原で1番の武神、タケミカヅチ。
タケミナカタは全く歯が立たなかった。
すると諏訪湖まで追い詰められた。
タケミナカタは『この地から一歩も出ません。父や兄達の言う通りにしますから許してください』と…
この事の力比べが相撲の発祥になっている。
こうして国譲りは成立した。
ここまでが、国造りと国譲りの物語
オオクニヌシはなぜあっさり国を譲ったのか?
コトシロヌシもなぜ父に国を譲ることを促したのか?
ここで出てきた重要なキーワードがある。
それが【ウシハク】と【シラス国】である。
八百万の神々を通して、また深く掘り下げてみよう‼︎