◉日本の事を初めて知った日

33歳の夏。ビジネスで多くの損失をし、この先どうした良いのか路当に迷った。

スキルやテクニックで日本中を驚かせ、時代の寵児となり天狗になっていた頃、メディアで激震が走る。

繁栄だけを求めていたその野望は瞬く間に砕け散り繁栄し続けることの難しさを突きつけられる。

しかし、自分は分かっていた。

企業の成長と自分自身の成長にギャップがあった事に。

お金儲けしたい。

地震を持つために結果を出したかっただけ。

裏付けられた経験と実績を持って社会に影響を与えられる人間になりたかっただけ。

しかし、身の丈に合わない経営は、嫉妬という名の矛先になりメディアを使って一切に叩かれた。

どうしたら、繁栄し続ける企業を作る事が出来るのか？

そんなある日、一人の先生と出会った。

悩んでいる私を見てその先生はこう言った。

『君の話を聞いていたが、君はやり方ばかり言っている』

『それは繁栄する事であって、安定、つまり平和を作ることではない』

『君は何もしなくて平和はあると思うか？』

『もしあるとしたなら、なぜ君は今平和じゃないんだ？』

『君の平和を作るために何もやっていない』

『だから今があるんだよ』

『どうしたら平和で持続可能な会社を作るるか？』

『具体的に学ぶんだよ』

『ではどうしたら学ぶ事が出来る？』

『それは、世界で一番長く続く組織を学べば良い』

『君は世界で一番長く続く国はどこだか知っているかい？』

『それは君が住む日本なんだよ』

『それだけではない』

『地球創生上一度も滅びた事の無い唯一無二の最高の国、それが我が国日本なんだ』

『君はその国の上に立ってる』

『君はどこを見ているんだ！』

『アメリカかい？』

『君の眼の前に答えはあるじゃない？』

正直に驚いた。

それまで世界で一番長く続く国が中国やエジプトだと思っていた。

私は先生に尋ねた。

中国やエジプトはどうなんですか？

すると先生は

『ああ中国ね、あの国はまだ出来ての62年の国だよ』

私）『しかし中国300年っていうじゃないですか？』

先生）『確かに同じ場所に今の中国はあるし同じ人達が住んでいた。しかし、中国は何度も滅びているよ』

私）『それを言うなら日本の幕府も何度も変わってませんか？』

先生）『そうだね。じゃ今の日本の君主は誰だい？』

私）『天皇』

先生）『じゃ天皇はいつから存在したの？』

私は答えられなかった。

『今の天皇は何代目か知っているか？』

『日本の天皇は世界で最も長く続くエンペラーだって知ってるかい？』

『また、エンペラーと言う称号を支えるのは世界で天皇だけなんだよ』

そして写真を見せられた。

『世界で一番上座に座るのは天皇』

『なぜならば、貴族とは昨日今日の成り上がりは認めない』

『長い間国を支えた貴族が尊敬を集める。つまり歴史で大切なんだ』

『つまり世界で一番長く続く貴族は天皇』

『もし天皇がいなくなれば文字通り白人が頂点を極める』

『つまり天皇がいなくなると言うことは世界の近郊が崩壊する事につながるんだよ』

『ようするに天皇の存在が世界の平等で作っている』

先生は最後に私にこう言った。

『日本の事をもっと学ぶと良いよ』

『今の迷いがなくなるから』

この時、何も答えられなかった愚かな自分が恥ずかしかった。

それと同時にもっと学ばなければと熾烈に学びたい衝動に掻き立てられる。

なぜ日本だけがこんなに長く続いた？

そこには訳があるはず。

そのなぜの向こう側に探し求めていた何かがあるはず。

そこで改めて日本という国について真面目に勉強を始めた。

今から19年前

私が33歳の時でる。