神道・神社コラム

宗像三女神の謎タギリヒメとは?

宗像三女神は天岩戸の物語の原因となった誓約によって生まれた神様である。

アマテラスがスサノオの剣(十握剣)を噛んで息を吹きかけると3柱の女神が誕生した。

この女神こそ、宗像三女神である。

その後、アマテラスは宗像三女神に神勅を出しているが、アマテラスが直接神勅を出したのはニニギと宗像三女神だけである。

ニニギには内を固めよ!

宗像三女神には外を守れ!

こうして、宗像三女神は外交の要となり、朝鮮半島に向けて国を守っている。

その事から朝鮮半島との貿易で富を得ていた平清盛は宗像三女神を手厚く祀り、宮島にある市杵島神社に勧請した。

さて、宗像三女神の謎はこれからである。

宗像三女神の1柱であるタギリヒメは大国主の奥さんになっている。

しかし、タギリヒメと言う女神はいない。

長女:タゴリヒメ

次女:タギツヒメ

三女:イチキシマヒメ

タギリヒメの名前がない。

古事記にはタギリヒメと書かれているが、日本書紀ではタゴリヒメ、またはイチキシマヒメと書かれている。

ここで推測だが、長女であるタゴリヒメは宗像の一番沖にある沖ノ島に鎮座し、外交の要となっている。

イチキシマヒメは本土にある本殿で祀られている。

つまり、自由に行き来が出来る。

また、イチキシマヒメだけを祀る神社は全国各地にある。

さらにイチキシマヒメは絶世の美女。

弁財天と同一化されている。

さらに、タゴリヒメが鎮座する沖ノ島は女人禁制。

なぜなら、嫉妬深い神としても知られる。

どうだろう?

嫉妬深いスセリビメがいるのにタゴリヒメが奥さんになるだろうか?

さらに出雲大社の本殿に祀る大国主は正妻であるスセリビメに背を向けて、タギリヒメが鎮座する社殿を向いて鎮座している。

これらを考えると大国主の奥さんはイチキシマヒメが有力ではないのだろうか?

しかし、同じ日本書紀で名前が異なるのは間違ったのか?

それとも、あえてそうしたのか?

不思議であるが、名前を変えて隠さなければならなかったほど愛していたのだろうか?

そこにロマンがある。