神道・神社コラム

ふたつの徳を頂いている
すでにあるものへの感謝
癌を手術で取り除き、命を救ってくれた医者に感謝するものは多いが、
嫌いな食べ物を残し『大人になって病気にならないよに』と
叱る母親に感謝出来るものは少ない。
ひとは得るものに感謝できても、既にあるものに感謝できないものです。
また、本当に母親のお陰で癌にならなかったのさえ分からないのです。
なぜなら、癌になっていないから。
母親の言葉に込められた意味
しかし、我々は既に多くのものを与えられています。
昔の人はその与えられたものに対して『お陰様で』と答えました。
その【お陰様】が【当たり前】になった瞬間、感謝の心がなくなり、
何も得ていない人生が苦しくなります。
その苦しい状態がさらに苦しい出来事を引き起こす。
自分と家族の健康を守ることの大切さ
『大人になって病気にならないよに』
この言葉にはふたつの徳があります。
先ずは自分が病気しないこと。
そして、健康に気を配る両親が病気しないことです。
歳をとった両親が病気で介護を行わらければなりません。
それはとても大変なことです。
しかし、健康に気を配る両親だからこそ、自分も家族も健康です。
そのふたつの徳を頂いているのです。
そのことに気付き、感謝すること。
それが清らかな状態だと言えます。
そして、自分も同じ様に子供にする。
これもまた、伝統と言えるのです。