神道・神社コラム

【シラス国とは?】

アマテラスが国譲りの際、オオクニヌシに告げた言葉ある。
この中にアマテラスが目指していた理想の国作りがあった。

『汝ウシハクこの国はシラス国だとアマテラスが仰せである』

ウシハクとは戦うことによって国を作ればその国は個人の所有物になる。

つまり【独裁】

また、戦うことを正当化すると次の勢力が戦うことによって国を奪おうとする。

そうやって他国では繰り返し争いが起き、国王が入れ替わった。

これを【易姓革命】と呼ぶ。

これではこの世は荒れた国になる。

だから、アマテラスは【シラス国】と言った。

シラス国とは知らせる。

情報を公開し、皆んなで話し合い物事を決める事。

人はそれぞれ価値観が違う。

だから、一人で物事を決めてはいけない。

みんなが決めた事を天皇が発表するのを【詔】(みことのり)と呼ぶ。

つまり、一度皆んなで決めたことには従いなさい。

これが詔の意味である。

アマテラスは慈愛に満ちた民衆が主役の民衆のための国にすると言ったのだ。

オオクニヌシは心優しい神様、本来シラス国を作りたかった。

しかし、八十神である兄神の攻撃を受け戦わざるを得なかった。

オオクニヌシは己の天命に気づく。

そして、国は譲られた。

これは明治維新でも同じ国譲りが行われている。

幕府が大政奉還を行った様に、幕府を倒した長州、薩摩、土佐や各藩も版籍奉還を行い、国譲りを行なった。

戦って国を奪ったのだから自分達が国を牛耳る事も出来たはず。

それを行わず天皇に国を譲ったのだ。

また、赤穂浪士の忠臣蔵も同様、戦う事で世の乱れを正したが、命を捧げて国譲り行なった。

これこそ国譲りである。